「さくらももこ」の服用にはアンチエイジング効果が期待されています

ちびまる子ちゃんはおもしろい……って今更なに言ってんの、と思われるかもしれない。そう思われるほど、ちびまる子ちゃんは、日本人なら誰もが知っているアニメだ。ドラえもんクレヨンしんちゃんちびまる子ちゃん。国民の三大義務が答えられなくても、この三大国民的アニメなら答えられるって人が多いのではないか。ぼくも、三大義務より三大アニメのほうが自信あるかも……。

最近、ちびまる子ちゃんの作者であるさくらももこさんのエッセイをよく読んでいる。さくらさんのエッセイは、読めば読むほど、救われる。少し気分が落ち込んでいる時でも、さくらさんの文章を読むと、すうっと楽になる。Oh,Jesus...って感じ。

たとえば、こんな文章に出くわすと、心が浄化される。

「それにしても、単に近所にあるラーメン屋なのにあんなにおいしいんだから、よくテレビでやっている行列のできるラーメン屋なんてどんなにおいしいんだろうねぇ。もう想像がつかないよ。きっと想像を絶する味なんでしょうね」(ももこのまんねん日記2011)

なんというか、文章が光って見える気がする。まぶしくて、目が痛い……いや、ほんとに。

たしかに、テレビで紹介されてるラーメン屋の方が、近所のラーメン屋よりおいしいのかも、とは思う。でも、“想像を絶する”味がする、とまでは思えない。テレビのリポーターが「死ぬほどおいしい!」なんて言ったら、ぼくたちは「いや、死ぬほど、は言い過ぎでしょ」と反射的に穿った見方をしてしまう。

しかし、さくらさんは違う。「死ぬほどおいしい!」と言われたら、「食べたら死んじゃうくらいおいしい味って、どんな味なんだろう!すごい!」と受け取るのである(たぶん)。

なんだか、さくらさんが心配になる。詐欺のカモにするにはとっておきの人じゃないか、とか、通販番組なんか見たら紹介されたもの全部買っちゃうんじゃないか、とか。だが、それと同時に、うらやましくも思うのである。

大人になると、「小学生の頃に戻りたい」とみんな決まって言う。ぼくだって戻りたい。やはり、大人になった今よりも、子どもの頃の方が楽しかったと、誰もが考えているのだ。それはなぜか。子どもの頃は、目に映るものすべてに驚くことができる能力を持っていたからである。驚きがない生活は、驚きに満ちた生活に比べて、たいへん味気ない。

ももこのまんねん日記は、小学生の夏休みの絵日記に似ている(いい意味で!)。各話ごとに一枚絵が付いているからというのもあるが、それだけじゃない。どこかへ行ったり、誰かと会ったり、なにか事件が起きたりしたことが、小学生並に純粋な目線で描かれている。「いや、死ぬほど、は言い過ぎでしょ」みたいな、大人的で穿った、味気のない描かれ方はしない。

さくらももこエッセイを読んだあとは、心がずいぶんと若返った気になる。あの頃は良かった……とじじくさい(ばばくさい)セリフをつぶやく前に、ももこのまんねん日記を手にとっては如何か。「さくらももこ」の服用にはアンチエイジング効果が期待されているんですよ(私論)。

 

ももこのまんねん日記 2011

ももこのまんねん日記 2011